加齢によって生じる睡眠の悩みと対処法

若いころに比べて、寝つきが悪くなったり、眠りが浅い気がする、という方は多いかもしれません。今回は、なぜ年をとると睡眠に関する悩みが増えるのか、そして、その悩みを軽減する方法をお教えします。

加齢によって生じる睡眠に関する変化

概日リズムの変化

概日リズム、すなわち体内時計は、生まれてから一定というわけではありません。20代くらいまでは後ろにずれていきます(遅寝遅起きになっていく)が、30代をピークに、一転して前倒し(早寝早起き)になっていきます。高齢者になると、かなりの早寝早起きになるイメージがあるかと思いますが、それはこの概日リズムの前倒しの影響です。

深いノンレム睡眠に関する脳波を出す部位が衰える

また、加齢は睡眠の質にも影響を与えます。脳細胞も老化していくことは、皆さまもご想像に難くないと思いますが、脳のすべての部位が一様に、徐々に老化していくのではなく、順番に老化していきます。そして、加齢による劣化が最も大きいのが、深いノンレム睡眠を生む出す部位、すなわち深く眠るための脳波を出す場所だということが、最近の研究でわかってきています。この部位が老化し、機能が衰えると、深いノンレム睡眠の時間が減り、全体として、睡眠が浅くなってしまいます。睡眠が浅くなると、少しの衝撃で起きやすくなり、早期覚醒や中途覚醒の原因にもなり得ます。

体内時計の変化に関わる快眠のためにすべき行動

朝活では日光を浴びない

概日リズムが変化し、早起きになると、朝から活動することも増えるかもしれません。特に6~7月くらいの、日が昇るのが早い時期に朝から外で活動すると、日光を浴び始めた時間を朝の起きるべき時間として概日リズムが調整されていくので、前倒しのまま定着していってしまいます。そのため、朝、屋外に出る際は、サングラスをかけたり、帽子をかぶったりして、できる限り日光を浴びないようにしましょう

夕方くらいのうたた寝は厳禁

概日リズムが前倒しになると早寝になりますが、夕方くらいに眠気が来るようになってきます。この夕方のタイミングでのうたた寝は厳禁です。睡眠を誘発する物質であるアデノシンを無駄遣いすることになってしまい、夜に本格的に寝ようとしたときに寝られなくなってしまいます。もし、早起きが定着してしまっている場合、夜なかなか寝られなくても概日リズムの作用により、いつもの時間に起きるようになってしまいます。そうすると、睡眠時間がどんどん減っていくことになってしまいます。

脳波の衰えに関わる快眠のためにすべき行動

睡眠を阻害しやすいものは徹底的に避ける

深いノンレム睡眠が減っていくことで、睡眠が浅くなるため、ささいなことが要因で起きる場合があります。そのため、寝室環境はこだわった方がよいです。例えば、朝日が明るくなりすぎないよう、遮光カーテンにすべきです。また、寝具が合わないものだと起きやすくなるので、合わないと感じたら買い替えた方が良いです(参考:快眠に不可欠!枕の選び方決定版快眠に不可欠!マットレスの選び方2つの観点)。寝間着も軽くて通気性の高いものにしましょう(参考:なんでもいいわけではない?パジャマ選びに重要な3つのこと)。

夜の水分は少なめに

老化するのは脳だけではありません。特に膀胱の問題が出てくる人も多いと思います。年をとると、トイレが近くなりますが、夜中にトイレ行くために起きることも増えていきます。したがって、夜の水分は控えめにしておきましょう。夜中のトイレを無くすことはできなくても、回数を多少は減らすことができます。もちろん、脱水症状にはならないよう、最低限の水分はとるようにはしましょう。

最後に

以上、加齢による睡眠への影響でした。寄る年波には抗えませんが、少しでも良質な睡眠を確保するために、意識的に行動を改善していきましょう!