今晩よく寝られるかは、朝起きたときから決まります。
快眠のために理想的な一日の行動をお教えしますので、ぜひ実践してください。
夜きちんと寝るためには
毎晩ぐっすり寝るために重要な3つのこと
毎晩ぐっすり寝られるようになるために重要なことは3つあります。
1つ目は、体内時計を整えておくことです。
2つ目は、アデノシンを溜めておくことです。アデノシンに関する記事で紹介した通り、これが溜まっていくと、眠気が催されます。アデノシンが溜まっていないと、体内時計的に寝る時間になってきても眠くならなかったり、睡眠が浅くなってしまうこともあるので、日中の活動で適度に溜めておき、夜に眠気を誘発させる必要があります。
最後は、寝る際に休息モードへ入っていくことです。体内時計を整えて、寝るべき時間を身体に刻み、アデノシンを溜めても、実際に寝ようとしない、あるいは寝ようとするのを阻害するようなことをしていては意味がありません。さらに、この休息モードへの切り替えに関する観点としては、体内時計の動きに逆らわないこと、体温調整メカニズムをうまく使うこと、寝室をリラックスの場所として定めることの3つの観点があります。
時間帯別の考え方
時間帯別の考え方としては、
朝:体内時計を調整するための動き
日中:アデノシンを溜めつつ、アデノシンの蓄積を阻害するようなことを避ける
夕方から夜:体内時計の動きにより、身体が休息モードへ自然と入っていくのを阻害しないようにする
寝る直前:体温調整をし、寝室に入って寝る
といった感じです。
以下、このような流れで説明していきます。
体内時計の調整は朝から始まる
毎日決まった時間に起きる
体内時計を整えるためにまず重要なのは、毎朝決まった時間に起きることです。一定時刻に起きることで、身体の中に起きる時間が刷り込まれていき、起きやすくなっていきます。
起きた直後に光を浴びることが重要
夜ぐっすり眠れるための行動は、朝起きた時から始まります。まずは、起きてすぐ日光を浴びてください。体内時計に関する記事で紹介したように、朝、日光を浴びることで、体内時計のリセット効果があるので、毎晩一定の時間に眠くなるように、体内時計を調整できるのです。
朝食でトリプトファンを摂り、夜にメラトニンが分泌されるようにする
メラトニンは睡眠を促すホルモンですが、その原料はセロトニンという物質です。そして、そのセロトニンという物質は、トリプトファンというアミノ酸から生成されます。トリプトファンを摂取してもすぐにメラトニンができるわけではなく、およそ16時間程度必要になります。したがって、夜に適量のメラトニンが分泌されるようにするためにも、朝食でトリプトファンを摂取することが必要になります。「トリプトファンが含まれる食材や一緒に摂るべき栄養素とは?」を参考に、朝食を組み立ててはいかがでしょうか。
日中の活動でアデノシンをきちんと溜める
運動してより多くのアデノシンを溜める
体内時計のメカニズムとは別に、眠気を誘発させる物質としてアデノシンがあります。アデノシンは身体を動かせば動かすほど、溜まっていきます。したがって、適度にアデノシンを溜めていくためにも、ある程度運動をしていくことが重要になってきます。ただし、夜遅くに運動してしまうと、身体が活動モードに入り、休息モードに入りにくくなってしまいますので、19時くらいまでにするようにしましょう。ぐっすり寝るためにはやっぱり不可欠!睡眠と運動のはなしを参考にしていただき、軽い運動をするようにしましょう。
15時以降はカフェインを飲まない
溜まると眠気が誘発されるアデノシンですが、カフェインを摂取してしまうと、アデノシンが溜まっていることを脳が認識しなくなってしまいます。寝ようとする時間までカフェインが残っていると、眠気も誘発されなくなってしまうので、15時以降はカフェインを摂らないようにしましょう。(参照:カフェインとうまく付き合って良質な睡眠をとろう!)
不用意な昼寝は厳禁
活動すればするほど溜めっていくアデノシンですが、寝ると減少していきます。そのため、昼寝をしても減ってしまいます。不用意に昼寝をすると、夜までに十分な量が溜まらなくなってしまいますので、昼寝をするにしても、きちんと戦略的にとるようにしましょう。「仮眠の最適な時間と寝過ごさないコツをお教えします!」を参考に、ちょうどよい仮眠をとるようにしましょう。
体内時計の動きに逆らわない
ブルーライトは控えめに
睡眠を促すホルモンであるメラトニンは、光を浴びると分泌が減ってしまいます。そのため、日没以降は、できる限り明るいところにいないようにしましょう。また、目から入ってくる光に反応するため、PCやスマホのブルーライトも日没以降はできる限り避けた方が望ましいです。最低限ブルーライトを緩和させる眼鏡をかけたり、スクリーンの明るさを低減するよう設定するなどしましょう。
夕食はきちんととる
オレキシンという神経伝達物質は覚醒を維持する働きをするので、いつまでも分泌させないようにする必要があります。オレキシンが多く分泌される要因はいくつかありますが、大きな要因の一つが空腹です。そのため、寝るタイミングで空腹にならないよう、夕食はきちんととりましょう。
ただし、寝る直前に夕食をとってしまうと、胃が休まらず、また逆流性食道炎の要因にもなってしまうので、就寝の3,4時間前に摂るようにしましょう。(参照:腹が減っては快眠できぬ?ぐっすり寝るための夕食時間)
アルコールはほどほどに
お酒が大好きな方もいらっしゃるかもしれませんが、快眠のためには、基本的にはお酒は避けた方が望ましいです。飲むにしても、寝るまでに時間をあけ、かつ少量にとどめてください。具体的には寝る2時間前までに飲むようにし、量はビール中瓶一本(日本酒なら1合)以下にしましょう。(参照:アルコールとうまく付き合って快眠に!)
体温調整をして、寝るモードに切り替える
入浴で体温を一度上げ、下げる
身体の内部の体温である深部体温をいったん上げたあと、体内メカニズムによって急激に下がっていくことにより、眠気が誘発されやすくなるので、入浴は重要です。寝る1時間半~2時間前に39~40℃のぬるめのお湯に、15分程度入ることが望ましいです。(参照:これでぐっすり!快眠のための入浴方法・タイミングとは?)
熱発散を妨げない服装で
眠気の誘発には、体温を一定に保とうとするメカニズムにより、入浴で上げた体温を下げていく必要がありますが、入浴後いつまでも熱をこもらせては意味がありません。したがって、きちんと熱が発散されるような服装にしましょう。通気性がよく、締め付けの少ないパジャマがベストです。また、手足などの末端から熱は出ていきますので、靴下ははかないようにしましょう。なお、暑い日などは、入浴後一定時間裸でもよいですが、風邪の防止のために、ある程度涼しくなったら、服を着るようにしましょう。(参照:なんでもいいわけではない?パジャマ選びに重要な3つのこと)
寝室でリラックス
寝室を寝るための場所として徹底
全ての寝るための準備を終えたところで、意識を寝るモードに切り替えていきます。といっても、寝ようと思うということではなく、眠れなくなるものを寝室に持ち込まないようにする、ということです。仕事やゲーム、続きの気になる小説や漫画などは持ち込みNGです。入浴後でまだ暑い場合、すぐには寝られないと思いますが、そんなときは、読書や音楽鑑賞する程度にとどめておきましょう。これがあれば寝られる、という本や音楽などが見つかればベストです。仕事などの作業場所が寝室を兼ねている場合は、ベッドの上にそういったものを持ち込まないようにするだけでも変わってきます。
寝室をこういった睡眠を阻害する要因から隔離し、寝るだけの空間として徹底していくと、条件反射のように、寝室に入ると眠りやすくなります。
アロマやハーブティでさらにリラックス
読書や音楽鑑賞をしている間に、アロマをたいたり、ハーブティを飲むと、よりリラックスできます。「自然の力で快眠を!安眠効果のあるハーブ5選」や「良い香りでぐっすり!安眠効果のあるアロマ6選」を参考に、気に入ったものを使ってみてください。
時系列に沿ったまとめ
これまで述べてきたことを時系列にまとめると以下のようになります(例:7時に起きて24時に寝る場合)。
07:00 起床
07:05 日光を浴びる
07:30 朝食でトリプトファンを摂取
08:00 出発
09:00 出勤
12:00 昼食
15:00 以降のカフェイン摂取・仮眠禁止
18:30 退勤、以降ブルーライトはできる限り避ける
19:00 軽い運動
19:30 帰宅
20:00 夕食
22:00 以降、飲酒禁止
22:30 入浴
23:00 パジャマに着替え、寝室でリラックス
24:00 就寝
最後に
生活習慣を整えることが、快眠への第一歩となります。本記事をよんで、朝起きてから寝るまでの行動を改善していくと、より寝やすくなると思いますので、ぜひ実践してください!