ベッドに入ってもなかなか寝られない…
そんな時、ホットミルクを飲むとすんなりと寝られるという話を聞いたことはありませんか?
この寝る前のホットミルクですが、結論から申し上げますと、実は特段の効果はありません。この記事では、「寝られないときにはホットミルクを飲むとすぐ寝られる」という説の検証と寝る前に飲むとよい飲み物をご紹介します。
ホットミルクがよいとされた理由への考察
牛乳にはトリプトファンが含まれるから?
ホットミルクが寝付けないときに効果的と言われるようになった理由として考えられるものに、牛乳がトリプトファンを含んでいるからというのが挙げられます。トリプトファンは「トリプトファンを含む食材や一緒に摂るべき栄養素とは?」でも述べたとおり、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となる神経伝達物質であるセロトニンの原料となるアミノ酸です。この説は、一見もっともらしく聞こえますが、トリプトファンがメラトニンになるまでには16時間程度要するので、就寝直前に飲んだとしても、すぐに効果はあらわれません。
カルシウムのリラックス効果?
トリプトファン以外の栄養素としては、カルシウムのリラックス効果も、ホットミルクの効果を示す理由に挙げられます。確かに、カルシウムには、神経の興奮を抑える効果はありますが、吸収効率や吸収までの時間を考えると寝る前に飲んでも効果は発揮されません。
寝られない時に飲むもの
温かい飲み物はよい
上述のとおり、ホットミルクに特有の効果はないのですが、ではホットミルクを飲んで全く意味がないかというと、そうではありません。というのも、温かい飲み物を飲めば、深部体温が一度あがり、その後下がっていくとともに寝付きやすくなるためです。そのため、まず、寝られない時には冷たい飲み物より、温かい飲み物を飲みましょう。
当然カフェイン入りはNG
温かい飲み物といっても、コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェインの入った飲料は当然NGです。「カフェインとうまく付き合って良質な睡眠をとろう!」でも述べたとおり、快眠のためには、15時以降は、カフェインの摂取を避けた方が良いためです。
リラックス効果のあるハーブティーがベター
温かい飲み物であれば、それなりの効果はありますが、特にリラックス効果のあるハーブティーを飲むとより効果が得られるでしょう。
「安眠効果があるとされるハーブ5選」を参考に、試してみてはいかがでしょうか。なお、味の好みが合わないものを飲んでも効果が薄れてしまいますので、もし少し飲んで口に合わないようであれば、無理に飲まない方がよいです。気に入った味のものを飲むようにしましょう。
何もなければ白湯でもよい
温かくて、カフェインの入っていない飲み物がよいということで、極論ではありますが、白湯でも構いません。やけどしない程度の温度まで冷まして飲むようにしましょう。ただ、やはりリラックスできるものの方がよいですからハーブティーの方がおすすめです。効果として、ハーブティー>白湯=ホットミルクだと覚えておくとよいでしょう。
最後に
以上、巷でいわれている「寝られないときにはホットミルクを飲むとすぐ寝られる」という説の検証と、寝られない時に本当に飲むべき飲み物をご紹介しました。
なお、今回の記事は、寝られない時に飲むべきはホットミルクだというのは有力な根拠はなく、ほかにもっと効果が見込めるものがある、というお話であり、ホットミルクを飲むと寝られなくなる、というものやホットミルクには全く効果がない、というものではないので、ご注意ください