皆さまは朝ごはんを食べていますか?忙しくてなかなか朝食を抜いている方もいらっしゃるかもしれません。取り方によっては、よい目覚め、そして夜にぐっすり眠ることに影響してきます。どういったことに気を付ければよいか、説明していきます。
朝食のメリット
体内時計が整う
朝食の一つ目のメリットは体内時計が整うことです。体内時計を整えることが快眠にとって重要というのは、「人間の体内時計、「サーカディアンリズム(概日リズム)」とは?」で述べたとおりですが、朝食をとることで、内臓に栄養が補給され、活動モードに切り替わっていきます。これにより、体温上昇なども始まり、体内時計が調整されていきます。
肥満防止にもつながる
朝食の二つ目のメリットは肥満防止につながることです。複数の研究によれば、朝食を抜いて2食で済ます人と朝食を含む3食とる人では、前者の方が肥満になりやすいという結果が出ています。肥満になると睡眠時無呼吸症候群の原因になるなど、睡眠にも影響が出てきますので、この観点からも朝食はとった方がよいです。
これで快眠!朝食の取り方注意点4つ
トリプトファンを摂取しよう
「快眠のカギを握る睡眠ホルモンのメラトニンとは?」や「メラトニンの原料、セロトニンとは?」でご紹介したとおり、睡眠ホルモンであるメラトニンはセロトニンから生成されますが、このセロトニンの原料がトリプトファンというアミノ酸です。トリプトファンがメラトニンに変わっていくまでには、15~16時間ほど要するため、朝食で摂っておくことをオススメします。このトリプトファンは、肉類や魚類、卵類や大豆製品、乳製品、白米等の穀類やアーモンド等のナッツ類やバナナに多いです。また、トリプトファンだけでなく、ビタミンB6や炭水化物も一緒に摂取する必要があるので、ビタミンB6を含む鶏ささみやマグロ・カツオ等の赤身魚、バナナなどに含まれています。これらの栄養素が多く含まれている食材については、「トリプトファンを含む食材や一緒に摂るべき栄養素とは?」をご参照ください。
よく噛んで食べよう
咀嚼がセロトニンの分泌を増やすことは、「メラトニンの原料、セロトニンとは?」でご紹介した通りですが、朝食もよく噛んで食べましょう。ついついよく噛まずに飲み込んでしまいがちの方は、漬物やカリカリのベーコン等を取り入れて、咀嚼数を増やすのもよいのではないでしょうか。
食べ過ぎないように
栄養補給の観点でいえば、ある程度しっかり食べたほうがよいですが、満腹は避けましょう。なぜなら、満腹になってしまうと、覚醒を維持するための物質であるオレキシンの分泌が減り、眠気がやってきてしまうためです。そのため、腹八分程度に収めておきましょう。
食後のカフェインでしっかりした目覚め
食後にコーヒーや紅茶、緑茶を飲むことで、カフェインを摂取し、よりちゃんと目覚められるようにしましょう。コーヒーや紅茶に牛乳を入れると、トリプトファンも同時にとれるので、カフェオレ・ミルクティーでもよいです。なお、カフェインには胃酸分泌促進効果もあるので、ある程度胃に食物が入っている食後に飲んだ方が、胃が荒れにくくなります。
最後に
以上、すっきり目覚めるための朝食の注意点についてお教えしましたが、朝に食事をとる余裕を作るのは、難しいかもしれません。ただ、最初がんばって朝食のための30分を確保し、体内時計を整えていくことで、徐々に無理なく30分の早起きが自然となり、朝食も一日のスケジュール内に組み入れられていくと思います。また、今日紹介した注意点はすべてそこまで難しくないと思いますので、ぜひ意識しつつ、朝食をとってもらえればと思います。