これがないと覚醒を維持できない?オレキシンとは?

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睡眠の反対は覚醒。睡眠ホルモンや睡眠物質があるように、覚醒を維持するための物質もあります。それがオレキシンです。この記事では、オレキシンについて、説明していきます。

オレキシンとは?

睡眠・覚醒にかかわる脳の働き

オレキシンの役割を具体的に示すにあたっては、脳の動きを先に説明しておく必要があります。覚醒に作動する脳の動きとして、モノアミン作動性メカニズムコリン作動性メカニズムがあります。一方、睡眠にかかわる脳の動きとしては、GABA作動性メカニズムがあります。

モノアミン作動性メカニズムとは?

モノアミン作動性メカニズムとは、脳幹からモノアミン系の神経伝達物質を用いて伝達するメカニズムです。モノアミン系の神経伝達物質とは、セロトニンや、ノルアドレナリン、ドーパミン等です。モノアミン作動性メカニズムの特徴としては、これら神経伝達物質をやりとりする神経細胞(ニューロン)が神経伝達物質を広くまき散らすような形になっており、情報が広範囲に広がるようになっている点があげられます。つまり、脳幹から覚醒の指令が出ると、モノアミン作動性メカニズムを伝って、大脳全体に指令がいきわたるようになっており、一気に脳・身体が覚醒するようになるのです。覚醒時には活発に活動するこのメカニズムですが、睡眠中は、レム睡眠中・ノンレム睡眠中いずれも活動が抑制されています。

コリン作動性メカニズムとは?

コリン作動性メカニズムとは、脳幹の橋という部分からアセチルコリンという神経伝達物質を用いて伝達するメカニズムです。これも覚醒時に活発に活動し、自律神経系などを司る脳内の視床という部分に特に作用します。睡眠中の動きですが、ノンレム睡眠中はモノアミン作動性メカニズムと同様に、活動が抑制されていますが、レム睡眠中には活動しています。

GABA作動性メカニズムとは?

GABA作動性メカニズムとは、脳の視床下部のうち、視索前野という部分からGABAという神経伝達物質を用いて伝達するメカニズムです。GABAという言葉は、チョコレート等で聞いたことがあるかもしれませんね。このGABA作動性メカニズムは、上述の2つのメカニズムとは異なり、睡眠時に活動するメカニズムです。上述の2つのメカニズムと互いに抑制しあう関係性になります。そして、モノアミン作動性メカニズム・コリン性メカニズムの活動が優位になると覚醒し、GABA作動性メカニズムの活動が優位になると睡眠に向かいます。

オレキシンと覚醒

オレキシンは覚醒を維持するために不可欠

では、睡眠/覚醒にかかわるオレキシンの働きはどのようなものでしょうか。それは、モノアミン作動性メカニズム・コリン作動性メカニズムを活性化し、脳を覚醒に向かわせるようになっている、というものです。1-4で述べたとおり、モノアミン作動性メカニズム・コリン作動性メカニズムとGABA作動性メカニズムは互いに抑制しあっていますが、前者の活動を維持するための存在がオレキシンです。すなわち、安定した覚醒を支えているのがオレキシンなのです。

オレキシンは空腹時に分泌されやすい

オレキシンという名前は、「食欲」を意味する「orexis」から命名されました。この名のとおり、空腹時にはオレキシンが分泌されています。オレキシンが分泌されるというのは覚醒の方向へ脳が傾いているということなので、睡眠欲は下がります。したがって、夜寝るまでにおなかが減ってしまうと寝つきが悪くなりますので、夕食を早くとりすぎたり、夜更かししすぎないようにすべきです。3~4時間の間には寝るようにしましょう。

最後に

以上オレキシンについて説明してまいりましたが、今回の記事は、脳の仕組みなど、難しい話も多かったですと思います。最低限、快眠のためには空腹で寝ることを避けるべき、ということだけでも覚えておいてください。