眠気を催す神経伝達物質アデノシンとは?

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近年、睡眠に関する研究が進み、アデノシンが眠気を引き起こす物質「睡眠物質」なのではないかと注目されています。本記事では、アデノシンとは何か、睡眠とどのような関係があるのか、見ていきます。

睡眠物質アデノシンとは

アデノシンは疲労のバロメーター

アデノシンとは、細胞のエネルギーである「アデノシン三リン酸(ATP)」が体内で分解されて生成されるものです。このアデノシン三リン酸を利用して日々人間は活動しており、活動量が増えると、アデノシン三リン酸がアデノシン二リン酸(ADP)となり、さらにアデノシン一リン酸(AMP)を経て、最終的にはアデノシンとなり、蓄積されます。アデノシン三リン酸を燃料の木とすれば、アデノシンは灰のようなものです。つまり、アデノシンが多く蓄積されたということは、多く動いたということになり、疲労のバロメーターとなるのです。

アデノシンが溜まると眠くなる

疲労のバロメーターとなっているアデノシンが脳内に一定以上溜まってくると、疲労を感じ、眠気を催すようになっています。人間は普通、疲れたら眠くなりますが、それはこのアデノシンが一定以上蓄積されたという情報が脳まで知らされたために、眠いと感じさせる作用によるものです。アデノシンの蓄積量がピークのときはかなり強い眠気が引き起こされますから、夜寝る直前にピークに持っていくことが、快眠のためには重要となります

寝る直前に蓄積量がピークになるように

ある程度動いていれば自然に溜まっていく

では、アデノシンを蓄積していくのに気を付けるべきことは何か、ということですが、ある程度身体を動かしていれば、眠気をもたらす量のアデノシンは自然と溜まっていきます。特に肉体労働の方、外回り営業で歩くことが多い方などは、アデノシンの蓄積量を増やすためにあえて特別なことをする必要はないでしょう

デスクワーク中心の方は意識的に運動をしよう

一方で、デスクワーク中心の方など、日中動く量が少ない方は、意図的に運動しないと、そこまでアデノシンが蓄積せず、ぐっすり寝られない場合があります。フィットネスジムなどに通えればよいですが、デスクワークの会社員の方々は、なかなか運動の時間をとれないかもしれません。そういった方々は駅では階段を使う、昼休みに外に出て少し歩く、帰宅後にストレッチをする、などで少しでも変わってくると思われます。運動については、ぐっすり寝るためにはやっぱり不可欠!睡眠と運動のはなしをご参照ください。

不用意な行動でアデノシンの蓄積が阻害されてしまう!

悪い昼寝は日中にアデノシンを解消させてしまう

日中たまに眠くなり、うとうとしてしまう方も多いかもしれません。その場合に、仮眠をとることも夜の快眠への良い手段の一つです。しかし、15時以降に仮眠をとってしまったり、30分以上の長い仮眠をとってしまうと、運動などで溜めたアデノシンが多く解消され、夜までに改めて蓄積させなくてはならなくなり、夜の眠気が低減してしまいます。仮眠に関する記事で、効果的な仮眠の方法を紹介していますので、ご参照ください。

アデノシンの天敵はカフェイン!

蓄積すると眠気を催す働きがあるアデノシンですが、その蓄積を阻害する物質があります。それは、カフェインです。脳内にはアデノシンの受け皿となるアデノシン受容体がありますが、カフェインはアデノシンでないにもかかわらず、このアデノシン受容体に入ってしまいます。そうすると、カフェインのせいで、実際は蓄積されているアデノシンが脳内に認識されず、眠気を催されなくなってしまいます。よって仮眠と同様15時以降はカフェインを摂らないようにしましょう。カフェインと睡眠の関係についての詳細は、カフェインとのうまい付き合い方に関する記事で詳細をご確認ください。

最後に

以上のように、快眠のためには、アデノシンを夜までにうまく溜めていくことが重要です。ある程度身体を動かしつつ、不用意な仮眠やカフェイン摂取はしないようにしましょう。